修士論文最終発表会にて1期生発表!

2021年2月10日(水)に、本研究室1期生の修士2名が修士論文最終発表会に発表、無事審査を通過しました。

タイトルは以下の通りです。

秋元友里 「都市農業の生産者と消費者としての地域住民の関係に着目した地域と共生する都市農地の運営に関する研究―川崎市宮前区を事例として―」
射和沙季 「古書店の社会的系譜に着目した店舗空間と古書店主の意図に関する研究―「本の街」神保町を対象に―」



秋元さんの論文は、都市農業とそこで展開する人と地域のつながりを分析した研究で、ゼミの議論で、都市農業って、空間的には都市化に取り残された歴史的には近郊農村農業だよね。本当の意味で都市農業ってのは何があれば都市農業なのだろうね?という問いから深まった研究でした。
そこから都市農業だからこそ存続する伝統的な農村コミュニティに着目しそこの繋がりを背景とした近年の現代的な様々なアクションやコミュニティ活動を比較しながら分析してくれてとても面白かった。個別の論の完成度としての精度よりも課題意識をどこまで展開して課題に迫れるかを追究した本人の人柄の出る論文になりました。

射和さんの神保町研究は、従来からやり尽くされたかのように見える神保町の空間形成の読解に、老舗店の徒弟制度や家族関係といった社会的系譜と店舗づくりの技術と社会状況といった歴史的背景を照らし合わせて、生業の集積から再読解を試みた研究。とにかく作業するのが大好きで、膨大なデータをこの2年間ゼミで浴びせてくれました。古書店主への店構えの意図の調査もしているが、最早古書店主の深層や理解を超えた分析結果になっていて、とても面白い知見が導けたと思う。

どちらの論文も、都市空間の生成にある論理を史的視点や地域特性から探究しつつ、その先の計画論にいかに結びつけるかというこの研究室で目指したいアプローチをそれぞれに個性豊かなフィールドで展開してくれました。
着任早々の学部3年からの付き合いなので、もう4年になり、こんなに長いこと同じ指導教員についていてよいのかとも思いますが、だからこそじっくり対象に向き合いまとめられたなとも思います。
その意味でも中島研の基礎は秋元、射和の両名が築いてくれました。
お疲れさまでした!

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